2020年6月12日金曜日

Rubus lambertianus (シマバライチゴ)

キイチゴ属野生種

別名:(島原苺)、酢イチゴ

自生地:長崎県、熊本県、台湾、中国南部

草姿:落葉~常緑、枝はつる性、草丈1~2m
トゲ:鉤形のトゲがまばら

花:10~11月、小さな白い花、円錐形の花序を頂生し多数の花をつける
果実:12月、暗赤色、球形、小さい(径約9mm)、酸味が強い



果実がブドウの房状に実るキイチゴで、国の絶滅危惧Ⅱ類に指定される希少種である。
ヤフオクでよく出品されている。

フユイチゴの仲間 (フユイチゴ節) で、冬に果実が実る。
フロリケーンの先端付近に円錐形の複合花序を作り、多数(30~100?)の花をつける。
果序は湾曲した枝の先から下垂してブドウの房のように果実を実らせる。
しかし果実はかなり酸味が強く生食には向かない。残念だ・・・
ネット上の評判では、Brixは10程度まで上がるがレモンのように酸味が勝つという。

キイチゴ属の多くは地上茎が開花結実後2年で枯れるが、本種は根元から1~2mが生き残る(太い枝の場合か?)。
そこからまた枝を伸ばして翌年も開花結実するらしい。
枝はつる状に数m伸びる。5mとの情報も。
ブラックベリーと同じで枝の先端部が地上に着くとそこで発根。新たな株となる。
枝の管理をしっかりしないと一面シマバライチゴ畑になりそうだ。

おそらくだが、ある程度の大株になってからじゃないと開花しないだろう。
このような大量の花と果実をつくるには株の体力が相当量必要だと思われるからだ。
鉢栽培なら大鉢が必要だろう。


酸味が強すぎるのが残念だが、なんといってもブドウの房のように果実がなっている姿はインパクトがある。
これとラズベリーを掛け合わせて、とロマンを抱かざるを得ない。


参考資料

森林総合研究所 - 自然探訪2010年12月 シマバライチゴ

島原市 ジオパーク - シマバライチゴ

日本原生キイチゴ属植物数種の育種素材としての評価

その他
『日本の野生植物 木本 Ⅰ』平凡社、1989年、P206

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