2020年6月28日日曜日

Cascade Premier (カスケード プレミア) / WSU 2166

ラズベリー

起源:ワシントン州立大学、USA (WSU1447 x WSU0697)

パテント:USPP30980 (2019年登録)

草姿:立性
トゲ:あり、長さ1.6mm

収穫期:一季成り
 フロリケーン:中早生
 プリモケーン:なし

果実
 色:赤色
 大きさと形:大 (長さ2.64cm x 幅2.10cm 重さ4.6g)、長い円錐形
 味と香り:Brix 8.2、クエン酸2.00%、excellent flavor (育種者談)
 硬さ:'Meeker' や 'Willamette' より硬い

Hardiness Zones:不明


2007年交配、2010年選抜、2018年リリース。

root rot に強い機械収穫に向いたワシントン州立大学の品種。
ファンタジーレッド®こと 'Cascade Dilight' のムーア博士の最新品種である

機械収穫向けの品種ということで比較品種は 'Meeker' と 'Willamette' である。
パテント情報でデータが乗っていたので表を抜粋しておく。

品種
Brix
pH
クエン酸(%)
アントシアニン量
Meeker
Willamette
Cascade Premier
9.3
8.0
8.2
3.54
3.34
3.31
1.40
1.83
2.00
57
95
52

何だかパッとしない・・・
古い二つの品種よりも酸味が強く感じられるようだ。
'Willamette' より酸っぱいのはどうなのだろう。

'Meeker' よりも果実は大きくて長い円錐形のため見栄えがする。
収量は 'Willamette' とほぼ同等。

root rot が発生している土地で育種および試験されたらしい。
なるほど病気には強そうだ。


収穫量、風味、果実の硬さ、機械収穫が可能、これら全てを備えた 'Meeker' はやはり偉大な品種である。
そこにさらに root rot 耐性を付けて、おまけに果実を大きくした感じの品種、というところだろう。
未だに圧倒的なシェアを誇る 'Meeker' だが、今度こそこれに代わる品種となりえるか。

しかしまぁ、趣味栽培者としてはいまいち魅力に欠ける品種に思える。


参考資料

パテント情報

ワシントン州立大学のリリースノート

Fruit Growers News - 2019/07/31

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