2020年6月7日日曜日

AAC Eden (AAC エデン)

ラズベリー

起源:PARC、カナダ ('Glen Ample' × K93-11)

パテント:カナダ PBR4567 (2013年登録)

草姿:立性、側枝が長い?、5小葉
トゲ:なし

収穫期:一季成り
 フロリケーン:中生
 プリモケーン:なし

果実
 色:淡い~中程度の赤色、光沢は弱い。
 大きさ:極大(約5g)、'Tulameen' より大きい。円錐形。
 味と香り:バランスのとれた味わい
 硬さ:中

Hardiness Zones:不明


2002年交配、2006年選抜。

カナダで育成されたトゲなし品種。

あまり試験データが見つからないのだが、ネットで見つかる数少ないのがこちら。
google先生が役に立たないのでいまいち要領を得ないが、表の数値から読み取ると以下の通り。

2015年の試験栽培ではBrix値が 9.0。
ただしこの時の試験栽培では最高が 10.5、'Tulameen' で 9.5 だった。
2016年の結果は・・・全ての品種で異様に低いので割愛する。

果実の大きさは 3.3g~7.4g!でかい。

果実の硬さは 5段階評価で 3.1、果皮強さは 3.7。
'Tulameen' と同等である。

そして肝心のflavorは 4.0 である。ちなみに 'Tulameen' は 4.4。

ただし市場に出せる果実の割合が低く約60%。
でも全体の収量が多いので最終的な量は 'Tulameen' と同等になる。

また、果床から果実が外れやすく収穫が簡単。


'Tulameen' と比べても悪くない品種ではなかろうか。
特にトゲなしなのがいいね。
果実の不良率が高いのが気になるが趣味栽培にはあまり関係がないだろう。

果実の光沢が弱いのは生鮮市場ではマイナスになるかもしれない。
Nourse Farm の果実の写真を見るとあんまり美味しそうに見えないんだよね。


2020年6月6日土曜日

Cascade Delight (カスケード ディライト) / WSU 1090 / ファンタジー® レッド

ラズベリー

起源:USDA-ARS、ワシントン大学など、USA、2003年 ('Chilliwack' x WSU994)

パテント:USPP14522 (2004年登録)

草姿:半直立?、樹勢が非常に強い
トゲ:小さい

収穫期:一季成り (下はワシントン州の場合)
 フロリケーン:晩生 (7月)
 プリモケーン:なし

果実
 色:赤色 (bright red)
 大きさと形:極大 (重さ4.9g)、長い円錐形
 味と香り:風味は素晴らしい (excellent flavor)、伝統的なラズベリーの風味
 硬さ:とても硬い (very firm)

Hardiness Zones:6-9


1989年交配、1992年選抜。

タキイ種苗でファンタジー® レッドという商品名で取り扱っている品種。
非常に硬く長い円錐形の美しい果実が採れる。
ただし機械収穫には向かず、手収穫での生果向けである。

果実の大きさはタキイのカタログでは6~10gと謳っているが、
実際に収穫初期に平均8.4gを記録している (10個平均。2001/07/06。ワシントン州、ゾーン8b)。
たしかにイチゴのSサイズぐらいだ。

糖度は10.4で 'Tulameen' や 'Meeker' と有意差は無い。
せっかくなのでリリースノートから表を抜粋して載せておく。
品種
pH
クエン酸(%)
Brix (%)
Cascade Delight
Meeker
Tulameen
Willamette
2.89
3.18
3.00
2.96
1.18
1.05
1.48
1.52
10.4
11.8
11.3
11.4

またユタ州の味覚テストでは 6段階で 4.0 と 'Tulameen' を抑えて 16品種中 1位だった。
(ユタ州ケイズビル、ゾーン7a)

アブラムシやRBDVに感受性があるが、root rot に強い抵抗性をもつ。

'Tulameen' よりも大きくて硬く、収量も多い。
そしてトゲも小さいとなれば、やはり良い品種なのだろう。

しかし、タキイ種苗でのお値段は ¥12,500 (税込) (2020年6月時点)。
うーーん、やっぱりちょっとためらっちゃうお値段だよなぁ。


Killarney (キラーニー)

ラズベリー

起源:マニトバ州、カナダ農務省 1961年 ('Chief' x 'Indian Summer')

パテント:なし

草姿:立性、中 (90~120cm)
トゲ:多い

収穫期:一季成り
 フロリケーン:中早生 ('Boyne' の3日後)
 プリモケーン:なし

果実
 色:明るい赤色~暗い赤色、強い光沢がある。
 大きさと形:中 (重さ2.6g)、丸っこい
 味と香り:風味は良い (good flavor ~ excellent flavor)
 硬さ:軟らかい

Hardiness Zones:4-7


'Boyne' の兄弟品種。よく似ている品種。
耐寒性も高いと思われる。

'Boyne' よりも果実の大きさ、品質が良い。

'Boyne' の記事と同じノースダコタ州の試験栽培ではBrix値は 10.8 で 10品種中 4番目だった。

RBDV に耐性をもち、root rot にもある程度の耐性があるが、
炭疽病や灰色カビ病の影響を受けやすい。

これも耐寒性が売りの品種だ。
よっぽど寒い地域でないなら 'Boyne' よりも総合的にこちらのほうがよいだろう。


耐寒性が必要ない当地ではいまいちパッとしない品種に思える。


Boyne (ボイン)

ラズベリー

起源:マニトバ州、カナダ農務省 1960年 ('Chief' x 'Indian Summer')

パテント:なし

草姿:立性、中 (90-120cm)
トゲ:多い

収穫期:一季成り
 フロリケーン:早生 ('Prelude' よりも3-8日遅い)
 プリモケーン:なし

果実
 色:暗い赤色
 大きさと形:小~中 (重さ1.9g)、丸っこい
 味と香り:風味は良い (good flavor)
 硬さ:中程度 (果皮は軟らかい)

Hardiness Zones:3-7


耐寒性が非常に高い品種。
休眠枝は冬季になんと-36℃にも耐える。
寒冷地向きの品種だ。

収量も悪くないようで、果実は軟らかいが冷凍にも向いている。

ノースダコタ州の試験栽培では Brix は 10.5 で10品種中7番目だった。
ちなみにこの時の1位は 'Meeker' で13.5だった。やるじゃないか 'Meeker'。

root rot と RBDV に耐性があるが、炭疽病と火傷病の感受性が高い。

'Meeker' より古い品種だが、耐寒性が極めて高いことから、
特に寒冷地で栽培が続けられているようだ。


当地はゾーン8なので、正直輸入してまで欲しいとは思わない品種だ。
極寒冷地でラズベリー栽培を考えている人には一考の価値はあるかもしれない。


2020年6月4日木曜日

Iceberg (アイスバーグ) / Snowbank (スノーバンク)

ブラックベリー

起源:Luther Burbank、カリフォルニア州、USA

パテント:なし

草姿:不明
トゲ:あり

収穫期:一季成り
 フロリケーン:不明
 プリモケーン:なし

果実
 色:半透明な白色
 大きさと形:小
 味と香り:ブラックベリーの風味はする
 硬さ:不明

Hardiness Zones:5-9


1894年選抜、1914~1916年頃リリース。

世にも不思議な「白いブラックベリー」である。なんだコレ。
もはやブラックベリーとはいえない変わり種である。

育種は、世界的に有名な育種家ルーサー・バーバンクである。
野生の白っぽいブラックベリーから交配を繰り返し65,000の苗の中からコレを選び出したとか。
白いというか半透明で外からタネが見えるそうだ。
ちなみにちゃんと自家結実して、そのタネから育った株も白い果実を実らせるらしい。
大御所マジスゲー。
Luther Burbank Home & Gardens では現在もこの品種が育てられている。

気になる味だが、ちゃんと通常のブラックベリーの味がするらしい。
なんかクリーミーとかいう表現をしているナーセリーもある。

なにぶん非常に古い品種であるので試験データなどは見当たらない。
しかしその個性的すぎる「白さ」によって現在まで伝えられている歴史的な品種である。

面白い品種であるので、可能であれば輸入して育ててみたいものである。


2020年6月3日水曜日

Caddo (カドー)

ブラックベリー

起源:アーカンソー大学、アーカンソー州、USA ('APF-45' x 'Ark. 2108')

パテント:申請中

草姿:立性
トゲ:なし

収穫期:一季成り (下はアーカンソー州の場合)
 フロリケーン:中早生から中生 ( 'Osage' より遅く、'Ouachita' より早い)
 プリモケーン:なし

果実
 色:光沢のある黒色
 大きさと形:大 ( 'Osage' や 'Ouachita' より大きい)
 味と香り:風味豊か (flavorful)
 硬さ:硬い (good firmness)

Hardiness Zones:5-9


2019年発表。

アーカンソー大学のジョンクラーク博士が育種したトゲなし品種。
大関ナーセリーで取り扱っているプライムアークシリーズで有名な人である。
品種名はネイティブアメリカンの部族名のようだ。
母親の 'APF-45' は Prime-Ark®45 のことである。

育種の目的は高い果実品質と日持ちを長くして輸送に耐えうること。

果実には風味を高める非常に注目に値する望ましい芳香物質がある。
また、乾期と雨期の収穫期の両方で年々一貫している堅さがある。
その硬い果実は、収穫後7日後でもほとんどの成分が変化しなかった。
そして収穫後14日間まで、その風味と外観を維持することに成功した。


と、リリースノートには書いてあるが、なにぶん最新品種なので他にデータが無い。
真価が問われるのはこれからである。
雨季というか梅雨時に硬い果実が採れるのはいいね。味はどうなるのかわかんないけど。

アーカンソー大学の品種は大関ナーセリーで取り扱いがあるので、
もしかしたら数年後にこの品種も取り扱ってくれるかもしれない。


2020年6月2日火曜日

HARA-Rasp / レッドドリーム / ウルトララズベリー 超大王

ラズベリー(広義)

起源:原俊彦、日本

パテント:PVP出願中 出願番号 第32000号 (2017年出願)

草姿:立性、背が高い(2~3m)、樹勢は最強!
トゲ:まばら、小さい

収穫期:一季成り
 フロリケーン:5月下~6月中
 プリモケーン:なし

果実
 色:暗い赤色?
 大きさと形:大 (約2.5cm)、丸い、クマイチゴに似て小核果の先が尖る
 味と香り:甘い、酸味は少ない
 硬さ:不明

Hardiness Zones:不明


数年前に突如現れた謎のラズベリー(広義) (果床が果実から外れるタイプ)。
中国原産のキイチゴの選抜種らしい。品種登録の植物の種類が違うんですけど。
中国のキイチゴ属は種類が多すぎて流石に種の特定は断念した。378分類て。
まぁ見た感じクマイチゴの近縁種であろう。多分。

ちなみに商品名は「超大王(ちょうだいおう)」であって「超大玉(ちょうおおだま)」ではない。
はい、勘違いしてました。

当然公的データなど無く、このページの情報は全てネットショップによるものである。

直立性で暑さに強く暖地でも栽培容易。
樹勢は最強でグングン育つらしい。3mて。

ラズベリー(狭義)のように地下茎から枝が生えるタイプだと大変なことになるような。
でもどう考えても鉢栽培には向いていない気がする。

ネット上の評判ではあまり良いものを見ない。
果実は大きいのだが、風味にクセがあるようだ。