2020年7月6日月曜日

Rubus chingii var. suavissimus (テンチャ)

キイチゴ属野生種

別名:Rubus suavissimus、甜茶、甜葉懸鈎子

自生地:中国南部広西省チワン族自治区 標高500~1000m

草姿:直立性、草丈1.5~3m
トゲ:太くて短い (5~6mm)

花:3~4月、3~5cmの白い花を下向きにつける
果実:5~6月、赤色、甘い (very sweet)



甘いお茶として有名なテンチャ。これもキイチゴ属である。
ブラックベリーの仲間らしい (果床ごと果実がとれるタイプ)。

葉は単葉でカエデのような形。5~7深裂する。
葉にはショ糖の75倍の甘味をもつルブソシド等が含まれており、噛むと生の葉でも甘味を感じる。
この葉を乾燥したものが甜茶である。

富山県の薬用植物指導センターに植えられていたのを一昨年みた。
太い枝は直径 3cm 以上で高さは 3m を優に超えていた。
元気なブラックベリーのようである。トゲはそれほど凶悪ではない。
そして株元からだけではなく、地下茎からもサッカーが出てくるようだ。
株元から 5m ぐらい離れたところにふっといサッカーが出てきていた。
地植えすると大変そうである。

果実は very sweet とのことだが実際はどうなのだろうか。
もしもルブソシド等の甘味成分が果実にも含まれていれば非常に甘く感じることだろう。
誰か知りませんか?

日本でもネットショップで苗が販売されている。
しかし繰り返すが、地植えは覚悟が必要だ。


下の写真は今年の6月。2年枝が剪定されて当年枝だけになっている。
右後ろに地下茎から生えたケーンが見える。


ちなみにラズベリーの葉も乾燥したものがラズベリーリーフティーとして利用されている。
味はクセがないので他のハーブとのブレンドをお勧めする。
また樺太のアイヌ民族はエゾイチゴ (ラズベリーの亜種) の茎葉 (キナカオホニ) を煎じて茶として飲んでいた。
ラズベリーは葉にも利用価値があるのだ。


参考資料

Flora of China

イー薬草.com - テンチャ

Wiki - アイヌ料理

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