2020年6月19日金曜日

Caroline (キャロライン)

ラズベリー

起源:メリーランド大学、メリーランド州、USA (('Autumn Bliss' × 'Glen Moy') x 'Heritage')

パテント:USPP10412 (1998年登録、2016年失効)

草姿:立性、樹勢が強い、サッカーがとても多い
トゲ:とても多い、節ごとに20~50

収穫期:二季成り
 フロリケーン:中生?
 プリモケーン:中早生

果実
 色:赤色 (medium red)
 大きさと形:中~大 (2.67g、ユタ州)、暖かい気候で大きくなる
 味と香り:風味はよい~素晴らしい (good ~ excellent flavor)
 硬さ:中 (暖かい気候で引き締まる)

Hardiness Zones:4-7


1989年交配。

'Heritage' に比べて果実が大きく収量が多い品種。2倍ぐらい収量がある。
温暖な気候で果実は大きく、引き締まり、風味もよくなるという。

ミシガン州立大学の2011~2012年の食味試験では13品種の中でトップクラスの評価を得た (ゾーン5b)。
2017年の品種紹介でも最新品種と並べて良い紹介をされている。
マサチューセッツ大学アマースト校も excellent flavor としている。
しかしユタ州立大学の2008年と2010年の食味試験では10品種中最下位だった (ゾーン7a)。
ユタ州立大学は酸味が強い傾向があるとしている。

とても多くのケーンを発生させるため鉢栽培には向いていない。

ラズベリーの中では root rot に最も強い部類の品種といわれている。
また灰色カビ病の影響を受けにくい。


パテントが切れていることもあって、たまにヤフオクで出品される品種である。
先月も出品されていたので何となく入札したら落札できてしまった。
なので改めて調べてみたというわけである。
果実品質の評判は (ユタ州立大学のデータを除けば) 全体的に高いようだ。高いと信じたい。
温暖な気候云々は日本の気候だと当てにならないと思う。
トゲは苗の段階では細かいのが多く感じる。エゾイチゴ(野生種)と同じぐらい。
鉢植えに向いてないとしているが、そもそもケーンは間引くものと考えているので問題ない、といいなぁ。
トゲありラズベリーは鉢植えじゃないと将来が怖いんだよね・・・


2020年6月18日木曜日

Diamond Jubilee (ダイヤモンド ジュビリー)

ラズベリー

起源:BerryWorld、UK (NY319 x 'Graton Gold')

パテント:USPP25455 (2015登録)、カナダ PBR 16-9015 (2016年出願)、
PVP出願中 出願番号 第33949号 (2019年出願) など

草姿:立性
トゲ:中密度、極短~短い

収穫期:二季成り (涼しい地域の場合)
 フロリケーン:早生 6月中~7月下
 プリモケーン:中生 8月上~9月

果実 (パテント情報)
 色:赤色、光沢は中~強い、'Driscoll Maravilla' よりも明るい
 大きさと形:大 (長さ2.9cm x 幅2.7cm 重さ6.8~9.2g)、広い円錐形
 味と香り:Brix 9.2、酸は低い
 硬さ:とても硬い (very firm)

Hardiness Zones:不明


2009年選抜、2013年発表。

小売店で購入した果実から採られたタネから選抜された品種。
そんなんでいいのか BerryWorld社。
購入された品種はおそらく 'Driscoll Maravilla' ではないかといわれている。

'Driscoll Maravilla' よりも果実が大きく、甘く、保存期間が長い。
しかしデータはパテント情報しか無い。ちょっとデータ盛りすぎじゃないかなと思う。

BerryWorld社が自社グループで生産している品種なので苗木も売っていない。
一応、日本の品種登録にも出願されているが、おそらく苗木の販売は無いだろう。

しかし購入した果実から育種するとは、ちょっと夢が拡がる話である。


2020年6月17日水曜日

Glen Coe (グレン コー)

ラズベリー

起源:SCRI、スコットランド、UK ('Glen Prosen' x SCRI 7751C4)

パテント:なし

草姿:半立性
トゲ:なし

収穫期:一季成り (下はイギリスの場合)
 フロリケーン:中生 6月~7月
 プリモケーン:なし

果実
 色:ビロードのような紫色 (ブルームがある?)
 大きさと形:中、丸い
 味と香り:風味は独特で強い
 硬さ:不明

Hardiness Zones:?


1988年リリース。

イギリスのトゲなし紫ラズベリー。
父方の SCRI 7751C4 はトゲのない黒ラズベリーだそうだ。そっちもリリースしてくれ。

赤ラズベリーのように地下茎であちこちにサッカーが生えてくるのではなく、
根元からケーンが伸びるタイプ。半直立した低木のようになる。
黒ラズベリーの血が濃いからだろう。

イギリスの多くのナーセリーが取り扱っている。
しかしアメリカのナーセリーではほとんど見かけない。'Royality' があるからだろうか?

残念ながら公的機関のデータが見つからない。
仕方がないので上のデータは色んなナーセリーの謳い文句の寄せ集めである。


日本で販売されている 「グレンコー」は商品写真を見ると果実が赤い。別の品種か?
もしイギリスから輸入するとしたら、候補に入れておきたい品種だ。
独特の風味というものを是非味わってみたい。


2020年6月16日火曜日

Advaberimar (アドバベリマー) / Imara® (イマラ)

ラズベリー

起源:Advanced Berry Breeding、オランダ (207102-24 × 207003)

パテント:EU PBR 40335 (2011年登録) / USPP23916 (2013年登録) / USRE46031 (2016年再登録) など

草姿:立性 (高さ180~200cm、幅40cm)
トゲ:おおよそ5本/cm、長さ2mm

収穫期:二季成り (下はミシガン州の場合)
 フロリケーン:早生 6月中~7月中
 プリモケーン:早生 9月上~10月中 ('Polka' の7日後から)

果実
 色:光沢のある赤色
 大きさと形:極大 (長さ2~2.5cm x 幅2cm)(重さ約3.6g)、広い円錐形
 味と香り:風味は素晴らしい (excellent flavor)
 硬さ:とても硬い

Hardiness Zones:?


2005年交配、2006年選抜。

オランダの Advanced Berry Breeding が 'Kwanza'、'Kweli' と共に作り出した品種のひとつ。
商標名の imara はスワヒリ語で「強い」という意味。

収量が非常に多いという特徴をもつ品種。花芽をもつ側枝が枝の全長に渡って発達する。
特にプリモケーンの収量は 2kg/株近くになる。
ミシガン州の試験でも約1.7kg/株を 2年連続で記録している。
'Nantahala' の2~3倍である。
別の試験では鉢栽培で 2年連続 2.5kg/株以上である。

果実の品質は 'Kwanza'、'Kweli' 同様、大きく、風味がよく、日持ちもよい。
ただし温かい環境では収穫後、果実の色が暗くなってしまう。

灰色カビ病が中程度みられる。

'Kwanza'、'Kweli' と共に世界で今注目を集めている次世代のラズベリーである。
Advanced Berry Breedingでは、収量が必要なときに選択する品種との説明。
商業向けにはとても良い品種なのではないだろうか。


2020年6月15日月曜日

Advabereen (アドバベリーン) / Kweli® (クウェリ)

ラズベリー

起源:Advanced Berry Breeding、オランダ (207005 × 207126)

パテント:EU PBR 40334 (2011年登録) / USPP23915 (2013年登録) / USRE46041 (2016年再登録) など

草姿:立性、コンパクト (高さ180~200cm、幅40cm)、側枝が多い(7~8本)
トゲ:おおよそ5本/cm、長さ1mm

収穫期:二季成り (下はミシガン州の場合)
 フロリケーン:早生 6月下~7月中
 プリモケーン:中生 9月上~10月下 ('Polka' の5日後から、霜が降りるまで?)

果実
 色:光沢のある赤色
 大きさと形:大~極大 (長さ2.5cm x 幅2.3~2.5cm)(重さ3.6~3.8g)、広い円錐形
 味と香り:風味は素晴らしい (excellent flavor)
 硬さ:とても硬い

Hardiness Zones:?


2005年交配、2006年選抜。

オランダの Advanced Berry Breeding が 'Kwanza'、'Imara' と共に作り出した品種のひとつ。
商標名の kweli はスワヒリ語で「真実」という意味。

フロリケーンとプリモケーンの両方共収量が多く、大きな果実と貯蔵期間が長いことが特徴の品種。
果実は収穫後、最大10日間も品質を保ち、色も暗くなりにくい。

ミシガン州ので試験でもフロリケーン、プリモケーン両方の収量が多かった。
'Nantahala' の2倍ぐらい採れる。
果実の品質などは 'Kwanza' や 'Imara' と共に高い評価を受けている。

また、この品種は高温にも強く乾燥熱帯気候でも栽培されているようだ。

'Kwanza'、'Imara' と共に世界で今注目を集めている次世代のラズベリーである。
暑さに強いというが、湿度が高い日本の気候はどうなんだろうか。


2020年6月14日日曜日

Advabertwee (アドバベルトウィー) / Kwanza® (クワンザ)

ラズベリー

起源:Advanced Berry Breeding、オランダ (207157-12 × 207015)

パテント:EU PBR 40336 (2011年登録) / USPP23914 (2013年登録) / USRE46030 (2016年再登録) など

草姿:立性、コンパクト (高さ180~200cm、幅40cm)、葉が大きい
トゲ:まばら (おおよそ2本/cm)、長さ2mm

収穫期:二季成り (下はミシガン州の場合)
 フロリケーン:早生 6月下~7月下
 プリモケーン:晩生 9月上~11月上 ('Polka' の10日後から、霜が降りるまで?)

果実
 色:光沢のある明るいオレンジレッド
 大きさと形:極大 (長さ2.3~2.6cm x 幅2.0~2.2cm)(重さ4.1~4.2g)、広い円錐形
 味と香り:風味はとても良い (very good)
 硬さ:硬い

Hardiness Zones:?


2005年交配、2006年選抜。

オランダの Advanced Berry Breeding が 'Imara'、'Kweli' と共に作り出した品種のひとつ。
商標名の kwanza はスワヒリ語で「一番目」という意味。

晩生の非常に大きな明るい色の果実ができる品種である。
パテント情報では、なんと平均 7g だそうだ。'Crimson Giant' よりも大きい。
また果実は収穫してから11日間も保存できるらしい。

実際にミシガン州での試験では優れた果実品質と貯蔵能力が確認された。
フロリケーンとプリモケーンでの果実品質がほとんど変わらない。
収量も総合的に 'Nantahala' より多い。
また別の試験では果実は平均 4.2g (フロリケーン)、4.1g (プリモケーン) だった。
十分大きい。が、やはりパテント情報は当てにならないな。


'Imara'、'Kweli' と共に世界で今注目を集めている次世代のラズベリーである。
3つの中では趣味栽培に一番向いてそうな気がする。大きさはロマンだ。
ミシガン州立大学の果実の写真を見ると、明るくて大きい果実はとても美味しそうに見える。
なんか契約とか厳しそうで輸入はハードルが高そうなのがネックだ。


2020年6月13日土曜日

Polka (ポルカ)

ラズベリー

起源:ブジェスナ果樹試験場、ポーランド (オープン実生 × 'Autumn Bliss' )

パテント:ポーランド PBR S98 (2003年登録)、EU PBR 14918 (2005年登録) など

草姿:立性、樹勢はやや強い
トゲ:あり (少ない?)、非常に短い

収穫期:二季成り
 フロリケーン:不明
 プリモケーン:早生 ('Polana' の1週間後)

果実
 色:光沢のある赤色
 大きさと形:中~大、円錐形、肉厚、小核果のサイズが揃っている
 味と香り:マイルドだが風味は優れている
 硬さ:とても硬い

Hardiness Zones:4-8


ポーランドの二季成り品種。
'Polana' よりも新しい品種である。

ポーランドのスキエルニエビツェ (ゾーン6) での試験では、果実重4.1g、Brix 11.3 。
'Polana' よりも大きく甘い。酸は同程度。
ユタ州立大学 (ゾーン6a) の試験では2.6gだった。ただし収量が安定して多く、果実の評価も10品種中2位だった。
1位は ’Anne’ だったので赤ラズベリーでは実質1位である。

root rot への感受性は低く、灰色カビ病に強い抵抗性がある。
しかしRDBVには影響を受けやすい。


'Polana' よりも果実の品質が全般的に高く、しかも収量が多い。
さらに灰色カビ病に強い。これは日本の趣味栽培にはすごく魅力的だ。
トゲの情報が殆どないのが気になるところ。
ナーセリーの売り文句は当てにならないことが多いが、トゲは少ないとの情報もある。